習字で使う「半紙」とは?「条幅」との違いや大きさは?

習字で使う「半紙」とは?「条幅」との違いや大きさは?

習字で使う紙といえば、「半紙」がすぐ頭に浮かぶと思います。

一般的に、書道用紙といったら半紙という認識にもなっていますね。小学校では3年生から、習字の授業が始まることも多いかと思いますが、授業で使うのも半紙です。

では、そもそも「半紙」とはどんな紙なのでしょうか?

別の代表的な書道用紙である「条幅」との違いも含めて、解説していきますね。

目次

半紙の大きさは?

半紙の大きさは?

一般的な半紙の大きさは、「横が25cm、縦が35cm」です。

A4サイズをひとまわり大きくしたくらいのサイズになります。

これは、初心者の方が一番書きやすい大きさです。大きすぎず、小さすぎずで、筆を動かすのにもちょうどいい紙になります。

書道教室で扱う道具としても、最も多いのが半紙ですね。「習字といったら半紙」というのも納得できます。

「半紙」というからには、その倍の大きさの「全紙」がありそうですが、これは少し違います。

半紙はもともとは杉原紙という和紙の大きさを半分にしたもので、それが半紙という名前の由来になっていますが、現代の基準ではこの杉原紙は使っていません。

なので、「半紙は半分の紙」と考えるよりも、A4サイズをひとまわり大きくしたくらいの紙を半紙と呼ぶのだと、覚えておいていただければ大丈夫です。

ただ、少しややこしいのは、実は今の基準でも「全紙」と呼ばれる紙は存在し、そのサイズを半分にした紙も書道ではよく使われています。

それが、「条幅」という名前の書道用紙です。

半紙と条幅との違い

実は、書道用紙として使われている紙の種類は「半紙」だけではありません。

もう一つ、代表的な紙で「条幅(じょうふく)」と呼ばれるものがあります。

「半紙と条幅の違いは何か?」と混同される方もときどきいらっしゃいますが、これは単純に大きさの問題です。

条幅の説明をする前に、実はもう1種類の書道用紙を紹介しておかなければなりません。

それが、「四尺画仙(よんしゃくがせん)」といわれるもので、別名「全紙」と呼ばれています。

大きさは、「横が69cmで、横が136cm」になります。

全紙という名前なのだから、これを半分にしたものが「半紙」なのかと思うかもしれませんが、違います。

全紙を縦に真っ二つ、半分に切ったものが、実は「条幅」と呼ばれる書道用紙なのです。

条幅の大きさは、「横が34.5cm、縦が136cm」になります。よく、掛け軸なんかで使われるサイズの紙ですね。

条幅は、全紙を縦に半分にしたものになるので、別名「半切(はんせつ)」とも呼ばれます。「半紙(はんし)」ではなくて「半切(はんせつ)」です。

ちょっとややこしいので、混同されがちな名前ですね(苦笑)

ですが、名称としては「条幅」のほうがよく使われることが多いので、条幅を覚えておけば大丈夫です。「半紙よりも条幅のほうが大きい紙」というくらいの認識で問題ありません。

半紙は質によって書きやすさが違う

半紙のにじみ

では、半紙のなかでも種類はあるのでしょうか。

半紙を変えたところでそれほど変化はないように思われるかもしれませんが、実は書きやすさに大きな違いが生まれます。

半紙によって、紙の質がぜんぜん違うからです。

特に「にじみ」を気にしてみると、その違いは明白です。

半紙と一口に言っても、和紙の特徴を出して墨がにじみやすくなっているものもあれば、逆にぜんぜんにじまないものまであります。

筆の動きやすさも変わりますし、さらに言えば、墨の色まで大きく変わります。

そのため、半紙選びというのは思っている以上に重要なことなのです。

自分の好みの半紙を見つけること

どの種類の半紙を使えばいいのかは、特に規定が決められているわけではなく、個人の好みになってきます。

人によって書きやすさや好みが違うため、一概におすすめがあるわけではありません。

もちろん、値段もそれぞれ違ってきますが、高価な半紙を使えば上手く書けるということでもありません。

値段にかかわらず、まずはいろいろ使ってみて、自分に合った紙を探すことが重要なのです。

とはいえ、いきなり無作為に探すのも難しいと思うので、まずは手に入りやすい半紙から試してみてください。

最初は安価な紙で練習をして、文字の形が整って書けるようになってきたところで、だんだんと上質の紙に変えていくのをおすすめします。

ただ、あまり同じ紙ばかりを使っていると、他の紙で書いたときのにじみの出方が違いすぎて、苦労するかもしれません。

その場合は、書く用途によって、紙の種類を変えてあげるのがおすすめです。

私の場合、作品として仕上げるときには多少にじみの出やすい、メリハリのある紙を選んでいますが、のし紙や記帳、手紙を書くときにはあまりにじまない紙を選んでいます。

このように、にじみやすさで紙を選ぶのもおすすめです。

いろいろな紙を体験していくと、触っただけで、だいたいの書き心地が分かってくるようになります。

素敵な紙に出会ったときには幸せな気分になりますよ。

まとめ

今回は、習字や書道ではおなじみの「半紙」について解説いたしました。

「半紙」は全紙を半分にしたものではありません。全紙を半分に切ったものは「条幅」と呼ばれ、半紙よりも少し大きな紙のことを指します。

また、半紙は紙の質によって書きやすさが変わってくるため、あなたの好みに合った半紙を探すことが大事になってきます。

たくさんの半紙に触れて、たくさんの文字を書いてみてくださいね。

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